海外に行きたいのはやまやまですが、見たいところ、行きたいところがいっぱい国内にあるので、定期的に1年に一度程度は国内旅行をしています。最近は日本の最北端、宗谷岬に行ってきました。なぜ、宗谷岬なのかというと、日本の一番北にある場所を見たかったという単純な動機であります。それも、今回は日常生活でだらけきっている自分自身に喝を入れる目的も兼ねて12月に行きました。
札幌から朝7時30分過ぎに出発する特急宗谷が途中乗り換えをしないで、そのまま稚内まで行くことができるので、乗車しました。本来なら、稚内駅から宗谷岬に向かうバスが出発する待ち時間がちょっとあるので、ランチということで、ラーメンのおいしい店をあらかじめ調べておいたのですが、列車とエゾシカが接触したということで、稚内に到着する時間が遅れてしまいました。そのため、稚内駅は道の駅を兼ねていますので、駅のなかにあるお店でサンドイッチと原産地が稚内の濃厚な牛乳を頂きました。稚内牛乳は賞味期限が5日と早いため、現地でしか飲むことができない貴重な牛乳です。振ってから飲むほど濃厚ですが、サンドイッチと合っていてとても美味しかったです。たくさんの観光客が食べていたソフトクリームも人気商品で、甘いものはそれほど得意ではないのですが、甘味よりもコクが深く、一気に食べてしまうほど美味しかったです。
さて、バスに乗って宗谷岬にいきました。マイナス5度。とても風が強くびっくりしてしまいました。北国の厳冬の厳しさをじかに体験できました。旅行しで面白かったこととしては、厳冬の宗谷岬ですから、観光客はほどんどいないだろうと考えていたのですが、案外たくさん来ていたことに驚いてしまいました。
私が稚内駅から宗谷岬に向かうバスには地元のお年寄りと思われる人以外では私を含んで7人ほど乗車していたのですが、その中に東南アジア系と思われる家族連れが乗車していました。バスに乗り込む時から、実に寒そうな表情をしていたのは当たり前ですが、とても印象的でした。帰りの稚内駅に向かうバスが来るまで、時間が30分くらいあったので、家族連れのご主人さんと英語で会話しました。マレーシアのクアラルンプールから来たそうです。
私がどこから来たのと尋ねると彼はマレーシアと答えたので、マレーシアで覚えていた地名はクアラルンプールしかなかったので、彼が答えたあとでクアラルンプールと私が言うと彼がニコッとしてうなずいてくれました。家族4人で北海道を旅しているということでした。たどたどしい英語での会話でしたが、とても楽しかったです。「この寒さには耐えられる?」と質問すると苦笑いしながら「それも旅行の良い想い出になるよ」と言っていました。
稚内に向かう特急宗谷がエゾシカと衝突してしまい、稚内に到着するのが、遅れてしまい事前に調べていたうまいラーメン屋さんに行けなかったことはやっぱり残念でした。地元の方に聞くと、北海道の鉄道はエゾシカとぶつかる事故が多発して、遅れてしまうことがよくあるそうです。エゾシカと衝突してしまったと車掌さんがアナウンスした時は、どれくらい遅れるのだろうか、宗谷岬に行くバスが遅れてしまってはまずいなと困惑してしまいました。
さて、わざわざ厳しい冬の宗谷岬に行ってきたのは正解でした。何といっても、日本の最北端に自分が立ったのです。その時の俺は成し遂げた、という達成感はまさに感動ものでした。マイナス5度、しかも強風が荒れ狂う宗谷岬に立つことができたのです。そして、北の方角をじっと見つめるとサハリンと思われる島がうっすらと浮かんで見えてきたのです。あとわずかでロシアなのかと感じるととても感慨深いものを感じてしまい、心の中で言い知れぬ感動を味わうことができました。
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